再開31日目(帰省のため完全休養)

昨日から、新座の実家に来ている。
普段、母と一緒に暮らしている姉が留守なので、二泊三日の予定で実家の新座に泊まっているのだ。


昨日は、夕方にちょっとした事件が起きた。

昼過ぎに実家に着いて、昼食後をダラダラと過ごし、

「夜に飲むビールでも買いに行ってくるわ…」

といった感じで、スーパーに出かけるために着替えていると、インターフォンが鳴った。

「はい!」

「▼×◻︎…◯○〜」

誰だ?知り合いか?

なんて思っていると、母が扉を開けて応対する。

「奥さん、コレ…」

自分よりも年上の男性が、何やらビニール袋のようなものを母に渡して話し始める。

やっぱり知り合いだったのか?

なんて思っていたのだが…。

「奥さん、俺のこと知ってるよね?おれさ、この辺、配達で回っててさ、最近復帰したからさ、挨拶にさ…

〈あれっ?知り合い?なんだよな?〉

前にさ、雪が降った日があったでしょ?あの日もバイクで配達していたんだけどさ、おれさ、凍ってところでタイヤ滑らせてさ、転んでさ、気を失っちゃんたんだよね。でさ、運悪く通りかかったトラックがさ、人だと思わないで俺のこと轢いちゃったみたいなんだよね。でもさ、医者が言うんだよ、運が良かったですよ。踏まれたところがもう少しズレていたら、即死でしたよ!ってさ…」

「あらぁ…大変だったわねぇ」

〈確かに、気の毒な話しだなぁ…〉

なんて思っていたのだが、続けて聞き耳を立てていると、

「…それだとさ、高くて大変でしょう?うちだったらさ、安いしさ、今じゃなくていいの、来年でもさ、再来年でもいいからさ…

〈あれっ?これって、何かの勧誘か?〉

と、気がついて玄関を開けて、母に声をかける。

「どうした?大丈夫?」

「別に怪しいもんじゃないから。新聞をね、今すぐじゃなくていいの。ちょっとだけでもさ、頼んでもらえたらいいかなって、お願いしていてさ…」

「母さん、サインしちゃったの?サインしちゃだめだよ!なんか渡されたの?それも、返しな!」

「新聞をとってもらうだけだから…」

「そうかもしれないけど、どの新聞取るかは、家族で話し合って決めるから、今日は契約しないからね。ほら、母さん、渡されたもの返しな!」

「いやいや、それじゃさ…。俺だって、手ぶらで帰るわけにはいかないから…」

「悪いけど、俺はここに住んでる訳ではないし、留守を預かってるだけなので、勝手なことされると困るんですよ。大体、年寄り捕まえて、そっちのいいように契約させられちゃうのも、どうかと思いますけど…」

多分そんなことを言ったと思う。記憶が定かではないのだが…。

ここでおじさんがキレ始めた。せっかくいい感じにサインをさせる一歩手前までいっていたのに、自分がそれを阻んだもんで、腹が立ったのだろう。

「なんだよお前、人を犯罪者みたいに言うなよ!」

「言ってないでしょう…」

「いや、言ったって!だからこっちもこういう言い方してやってるんだよ!」

「そんなこと言ってないと思うけど…」

「お前、とぼけんのかよ!」

〈いや、とぼけてないけど…あれ?いつのまにかこっちが悪いことになってないか?〉

「こっちは真面目に営業してるだけなのによ、人のこと犯罪者みたいに言いやがってよ!なんだよ!」

「いいから今日は、帰ってください!」

「うるせーな!バーカ!」

「あ、そうだ、とりあえず名刺もらえますか?」

「顔が名刺だよ!」

「ま、いいや、帰って!」

「うるせーな!バーカ!」

「警察呼びますよ!」

「警察なんか来ねーよ!」

「本当に呼びますね!」

ケータイで110番を押していると…

「ふざけんな!バーカ!バーカ!」

と、幼稚な捨て台詞を残して去っていった。

その後、腹がった自分は、ネットでその新聞社のお客様相談室の電話番号を調べ、この辺りの配達をしている販売店が2つあることを知ったのだが、

「特に謝罪を求めたりはしないけど、こういうクレームがあったことを販売店にちゃんと伝えて、お年寄りが怖い思いをしたりしないように、厳重に注意してほしい!と伝えた。

それにしても、このやろう!とか、バーカ!とか、言われたのはいつ以来だろう?

ああいう人って、本当に口は達者だな。

「顔が名刺だよ!」

って言われたとき、どうして、

「じゃ、写真撮らせてもらえますか?」

って切り返せなかったのかなぁ、なんて、機転の効かない自分を悔やんだあとは、まぁ、姉さんの留守を軽く守れたかな?なんて自分を慰めたのだった(笑)

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