再開45日目

昨日、テレビでパーパスのことを取り上げていた。
自分がこの言葉を知ったのは、3年前。それまで、全く知らなかったので、焦りつつ本を読んだのを憶えている。

昨日のテレビでは、パーパスをつくってから会社が変わった、といった話が紹介されていたが、本当にそうなのだろか?と、自分は疑問に思った。

もちろん、会社の存在意義を示すことは大切なことだ。自分たちの会社が何のためにあり、自分は何のために仕事をしているのかを納得しなければ、仕事にも身が入らないだろう。

パーパスがあることは、もちろん大切だと思う。でも、その導入の仕方がとても重要なのだ。

一昨日、食事をご一緒させていただいたコンサルタントの先生は、

「答えを教えてはいけない!」

と、おっしゃっていた。

例えばパーパスの設定なら、誰か外部の人間が考えたパーパスを押しつけられたのでは、決して機能しないということだ(入念な取材を経て、社内の意向を完全に吸い上げた場合は別)。

全社員がパーパス制定のための議論に参加し、ひとりひとりがとことん考え、話し合い、みんなが腹落ちしなければ意味がない。外から参加したコンサルタントや広告会社が、素敵な言葉でパーパスを提案しても機能しないということ。

「誰かに教えられたこと」ではなく、「自分たちでたどり着いたこと」でないとその言葉が人を動かしたりしない、ということだ。

だから、そのコンサルタントは答えを知っていても、あえて教えない、ということだ。

それを聞いて、納得したのだが、自分が書いているコピーは、意味がないのだろうか?

自分は、少し前から、単なるインフォメーションではなく、社員のモチベーションを上げることを目指し、コピーを書いている。最近担当させていただいた仕事でも、現場で働く人々にスポットを当て、ひとりひとりの献身を讃えるようなコピーを書いた。実際、現場に近いフランチャイズのオーナーの皆さんからも、「よくここまで、普段自分たちが思っていることを言葉にしていただいた!」と、評価していただけたし、

それは、それで、全く機能しないとは思いたくない。

でも、できれば内部の人と納得が行くまで話し合い、その人たちが大切にしてきたものを徹底的に掘り起こし、これからも社会に必要とされ続けるために、自分たちはどこを目指し、何をやるのか?それを、一緒に明確にした形で言葉にしていきたい。そんなふうに、本当の意味でクライアントに寄り添い、伴走するようにコピーを書いていきたいと思っているのだが、これがなかなか難しい…。

とはいえ、諦めたら終わりなので、引き続き努力していく。

 

45日目の記録

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shoji
コピーライター/クリエイティブディレクター
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