ある夜に感じた残念な思い…

先日、都内の居酒屋でとても残念な経験をした。

具体的な店名は書かないが、日本全国のものづくりを応援するセレクトショップのような店での出来事だ。

8月の初めに、友人に連れて行ってもらった時は、お刺身の盛り合わせはイマイチだったものの、その他の料理は概ね満足。シメのうどんも美味しかった。

何より、その店は各地の地酒が5勺420円で飲める。

いろいろなお酒を少しずつ味わいたい自分にとっては、とても有り難いシステムになっているのだ。

初めて訪れた前回は、飲んだことのない銘柄をいろいろ試すことができて大満足だった。お店のスタッフも気さくな感じでよかったし。

そんな(それなりに)いい店を知人にも紹介したいと思い、今度は自分が仕事仲間を誘って行ったのだが…。

一杯目に頼んだ「よなよなビール」は、ちゃんと美味しかった。

頼んだツマミも美味しい。

しかーし、続けて頼んだ日本酒が、前回の満足とは程遠い味なのだ。

頼んだのは、前回品切れで頼めなかった「村祐」の純米吟醸。

口に含んだ瞬間、???

「え?これが純米吟醸?」といった衝撃。

とはいえ、それほど日本酒に詳しいわけでもないので、こういうのが好きな人もいるのかも…。と、必死にその味を肯定するも、好みの味ではないので進まず…。

好きではないものを、無理に飲んでも辛いだけなので、その酒を残したまま、次の一杯を注文。

ここで、あえて飲んだことがある銘柄を注文してみた。

なぜなら、さっき頼んだ「村祐」が、恐ろしく温かったからだ。

そう、お店の温度管理に不手際があったのではないかと疑ったわけだ。

もちろん、日本酒は燗をして飲んだりもするので、「温い=悪」ではない。

「日本酒はぬる燗が一番うまい!」と、ぬる燗にこだわって酒を出すような居酒屋もあるくらいだ。

しかし、吟醸酒だ。しかも、クソ暑いこの時期に、東京の人々に日本各地の地酒の美味しさを知ってもらうために、お店が選んだ日本酒なのだ。

ぬる燗がうまい日本酒をセレクトするだろうか?

なんて、いろいろ考えながら待っていると…

さっきの「村祐」よりは、若干冷たい(十分に温い)「澤屋まつもと」が到着。

美味くない…。いや、不味い!

これは、明らかに温度管理の不手際による品質の劣化だと確信したわけだ。

ここで本来なら店の責任者を呼び、

「これ、飲んでみてください!あなたの知ってる●●ですか?」と、意見すれば、お店のためにもよかったんだろうけど…。

弱い自分は、2杯の酒をそのまま残し(美味しかったツマミは、綺麗に食べて)、会計を済ませて、仕事仲間と一緒に時々行く間違いのない小料理屋「すみだ川」に向かったのだ。

ここで、残念だと思ったことは、大きく2点。

本当は美味しい日本酒を、「日本のものづくり」を広めるための店が、不味くして販売してしまっていた点。あの日、初めて地酒を飲んだ人がいたら、「日本酒って、イマイチ…」と思ったはずだ。

それから、残念なのはこの自分だ。

自分が好きな酒が、残念な形で売られていた事実を、店の人に伝える勇気がなかった。

でもね、会計に立った女性が、日本酒を愛しているいるようには見えなかった。

実は、その彼女が私が頼んだ日本酒を開けたのだが、その時に明らかに異常な発酵が進んだ、「ポン!」っていう音がしていたし、彼女はそれを店の人々とともに笑っていたから。

ええ、ここまで目撃していたのに、自分はクレームを言ってくれる数少ない大切なお客様にならずに、2度と来ない冷たい客になってしまったわけだ…。

そのことを、いま、ものすごく後悔している。

だって、自分は美味しいと思っていた「澤屋まつもと」のダメージアップキャンペーンに加担していたと言えなくもない…。

実は、そのことを強く思ったのは、その店のFacebookを見ていたとき。

私が訪れた翌日に、ある有名銘柄(知名度90%以上?)の飲み放題イベントが開催されることになっていたから。

これは、自分の想像でしかないが、その有名銘柄を大量に冷蔵庫に入れるために、居場所を失ったその他の日本酒が常温で保管され、たまたまそれを飲んだのが自分だったのではないか?

そんな風に感じたのだ。

もちろん、すべて思い込み(味を知らないおっさんの勘違い)かもしれないけれど、一応お店に伝えた方がいいかなと、あの日からウジウジ考えている。

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