たぶん、日経の記事か何かで読んだのだと思うのだが、中小企業庁の調査によると、2025年までの10年間で70歳を超える中小企業の経営者は約245万人に上るらしく、その半数で後継者が未定だそうだ。
政府は、この状況が多くの中小企業の廃業につながり、2025年までに国内総生産(GDP)が、22兆円損失する恐れがあると試算しているらしい。
これ、かなりマズイですよね…。
誰かが、社長をやっていかないといけないわけです。
というわけで、提案させてください。
『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』×『100年塾予備校(仮)』
簡単に言うと、会社を(定年)退職するサラリーマンが、後継者を探している企業の社長となるのを、その準備段階から「100年塾」(社長と社員のための経営塾)がサポートしていくという考え方だ。
???
簡単に言えてないですかね?
では、「100年塾」のことは、〈このブログ〉を読んでいただくとして、まずは、『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』という、本について説明させてください。
人生100年時代を生き抜くためのチャレンジ
この本には、「人生100年時代の個人M&A入門」という副題がついていて、
退職金と年金だけでは、これからの長い老後を豊かに過ごしていくことは難しいので、退職金(の一部)で会社を買って、その会社の価値を上げてから売却し、豊かな老後を過ごそう!ということが書かれている。
こう書いてしまうと、退職金を狙ったいわゆる“ウマイ話”のようでもあるし、従業員の存在を無視した「ハゲタカ」的行為だ!思われてしまいそうだが、内容はとても真面目で、丁寧に、その具体的な方法や注意点が説明されている。
そもそも、大企業のサラリーマンには、(人にもよると思うが…)中小企業を経営していくためのマネジメント能力が十分に備わっているらしい。入社した当時からさまざまな研修がプログラムされており、質の高いOJT教育を受けてきている。と言うのが、その根拠だ。
一方、買収の対象となる中小企業は、IT化の遅れに代表されるように、“非効率”がそのままになっており、そこには、改善、成長の余地が十分にあると説明する。
もちろん、すべての会社がそうだ!ということではない。しかし、従業員やその家族の人生を背負っている社長が、事業承継の問題をそのままにしているような会社では、そうした指摘が当てはまる確率が高いのかもしれない…。
「会社が見ず知らずの人に売られる!」という事実は、従業員としては複雑な気分かもしれないが、先代に勝るとも劣らない人が新社長に就任し、さまざまな業務改革の末に業績が上がり、自分たちの給料が上がるのだとしたら、決して悪い話ではないはずだ。
少なくとも、自分はこの本を読んでそう思った。
誰が買って、どう育てるか?
それによって会社の未来は大きく変わってくる。
そのためのより良い方法が、この本では紹介されており、
起業よりも事業承継の方が、成功の確率は高い!(起業した会社の1000社中997社が討ち死にするらしい…)
買収候補会社はここで探せ!
飲食店経営に素人が手を出すと地獄が待っている!
など、興味深い情報がいろいろ掲載されていて、
〈「何もしない」というリスク〉 という項目で締めくくられているのだが…
ここで、いよいよ「100年塾」の登場である。
チャレンジする人を準備段階から支援する場
『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』を読み終えた後、すぐに頭に浮かんだのが「100年塾」の存在だった。
自分はこう考えたのだ。
個人で会社を買収しようという意欲あるサラリーマンが、実際に会社を買う前に、「100年塾」の基本的な考え方が学べる場があったら、会社経営の失敗(倒産)の確率は限りなく「0」に近づくのではないかと。
題して、「100年塾予備校(仮)」。
「100年塾」という経営塾に関する情報は、以前に書いた〈このブログ〉か、この本「社員29人以下の会社を強くする50の習慣」、または、塾長である金村さんのブログでお読みいただくとして、話を先に進める。
自分が買収した会社を経営していくときに、社長にとって気になるのは、大きく2つだと思う。
①すでにいる「社員」の存在。
②その会社の事業の将来性。
この2つの問題を解決していく答えを、「100年塾」は持っている。
まずは、すでにいる「社員」の存在に、どう対処していくべきなのかの説明から。
100年塾の“教え”その1 ヴィジョンを浸透させる方法
買収された会社の社員に、会社を買収した新社長が大歓迎で迎えられるケースは、極めて少ないだろう。
「自分が人生(の一部)を捧げてきた会社を、横取りしたよそ者」
ここまでひどくないにしても、大方の社員は、新米社長を冷ややかな態度で迎えるはずだ。
そこで、「100年塾」の“教え”が必要になる。
「真面目に会社のこと、社員のことを考えていれば、社員はいつかわかってくれるはずだ!」
そんな、社長の甘えを「100年塾」は、許さない。
会社について、社長が目指すビジョンについて、文字にして、伝えて、何度も一緒に勉強して、共有する。それが、できなければ会社など経営し続けることはできない!と、金村さんは説いている。
だから、「環境整備」で心をひとつにし、
「ベクトル勉強会」で、方向性の統一を図り、
「サンクスカード」で、互いが大切な存在であることを伝え、
手間がかかっても、「ハガキを書く」のだ。
そして、多くの会社が犯してしまいがちな“ある行為”の愚かさに対しても金村さんは釘をさす。
その愚かな行為とは、「社長だけが勉強する」というもの。
〈このボイスマガジン〉を聞いてもらうとわかるのだが、「社長が勉強しない会社」は問題外として、「社長だけが勉強する会社」には、必ず歪みが生まれるのだそうだ。
どこかのセミナーで、自分だけ最新の知識を仕入れてきた社長は、「我が社にも改革を!」と、ばかりに、新たなシステムなどを導入する。
もちろん、社長はご満悦だ。セミナーで紹介されていた優良企業のように、うちの会社にも変革が起こるはずだと思っているからだ。
しかし、社員の気持ちは違う。
社員A「うちの社長、また、新しい“宗教”でもかじってきたのか?」
社員B「みたいだな。で、どうする?社長が言っていたことやる?」
社員C「やってるふりしとけば、そのうち忘れんだろう…笑」
みたいに、社員に嘲笑われるだけで、改革は一向に進まないのだ。
こんな社内の“あるある”を百も承知の金村さんは、それを阻止するために、「社員も一緒に勉強すること」を義務付ける。
それが、「幹部養成塾」だ。
〈このボイスマガジン〉を聴いた人には、繰り返しになるが、「100年塾」では、普段社長が学んでいることを、幹部社員が改めて学ぶ場を設けているらしいのだが、そこで学んだ社歴5年以上の幹部社員たちが、「社長の考えていることが、やっとわかりました」と、感想を漏らすらしい。
ちょっと驚くでしょう?
でも、それが現実なんだと思う。
これは、社長たちの普段の伝え方が下手だという話ではない。
人は、近い人からの言葉は、どこか軽く聞いてしまうことが多いと思う。例えば、家族間の言葉がなかなか届かないように…。
でも、改めて少し距離を置いた人から伝えられると、普段言われていることの意味を冷静に理解できるのだ。
そうした深い部分までを見通し、解決策を持っている「100年塾」が、新社長になる人々を、サポートしていく。会社経営が初めての人にとって、とても心強いはずだ。
そして、こうした会社の人間関係の問題とともに気になるのが、「事業の将来性」だろう。
100年塾の“教え”その2 会社の未来は“逆算”で創る
もちろん、いわゆる「オワコン」が事業主体である会社を買収する人は(よほどの奇抜なアイデアを持っていない限り)いないと思うが、変化の激しい時代だ。その会社の事業が、今後どうなっていくかはわかりにくい。
ここでも、「100年塾」の考え方が役に立つ。
そう、「逆算式中期5カ年計画」だ。
『今の延長線上に、会社の未来はない!』
今と同じことをやっていたら会社は潰れる!というのが「100塾」の基本的な考え方だ。
だから、社長は5年後を見据えて緻密な設計図(経営計画書)を作るのだ。
そこには、現在の事業による自社の強みを活かしつつチャレンジするような新たな事業が含まれるかもしれない。大胆な改革や投資もあるだろう。
わからない未来を無理矢理にでも想像するために情報を集め、社会の流れを見極め、未来を創る努力をする。
事業の未来は、読むものでなく、自分の手で創るものだからだ。
そのことを新たに社長になる人がきちんと理解できていれば、わかりにくい未来にも怯むことなく前に進めるはずだ。
ほら、力が湧いてきたでしょう。
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と、ここで残念なお知らせがある。
金村さんが、「100年塾」の塾生会社を受け入れるのは、一期につき5社まで。と、決めているらしい。
金村さんは、限定5社の理由をこう語っている。
なぜ、5社限定なのか?
100年塾に参加することで学べることは、セミナーなどで学べる知識とは違い、実践的な内容が中心となります。そして、社長が学ぶだけでは会社は変わることはありません。それをどのようにして社内に落とし込み、浸透させるかが鍵を握ります。
この落とし込みと浸透のためには、時間と手間がかかります。実際に会社に訪問し、時には社員のみなさんと話し合い、成功し続ける会社にシフトしていきます。
そのための時間と手間をしっかりと確保するためには新規の塾生は5社が限界となってしまうのです。
確かに、おっしゃる通りだ。これほどのことをやるのは、本当に大変なことなのだと思う。
でも……できないことはないはずだ!と、言わせていただく。
だって、金村さんの、「100年塾」の、“教え”を実践し、結果を出し続けている社長は、全国にたくさんいて、その人たちの多くは、すでに他の人をサポートできる段階に達しているはずだ。
その人たちが、エバンジェリストとなって、「100年塾」の“教え”を多くの人に伝え、サポートしていけばいい。(あ、無責任にすみません…)
金村さんの会社の新入社員の人たちだって、いずれは、エバンジェリストになっていくはずだ。
「100年塾予備校(仮)」
その確かな支えがあれば、会社経営にチャレンジする人の数はきっと増える。
そして、その人々は、会社を成長させるために、社員とともに全力で行動し続けるはずだ。
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