明確なビジョンを持った「まち」の“強さ”を見てみたい 個人的な妄想②

ずっとこのことを書きたくて、いつも考えていたのだが、

思い入れのあることなので、書けずにいた。

これを書くことで、

「お前は、何もわかっていない!」

と、言われてしまうのが怖くて書けなかった。というのが正直なところだ。

でも、このまま書かずにウジウジしていても仕方ないので、今日、書かせていただく。

以前このブログで書いた、木下斉さんの「まち会社」が、「100年塾」の塾生会社になったらどうなるのだろう?

それを想像すると、ワクワクする自分がいる。

成功し続ける会社になるための経営塾

100年塾」とは、自身も会社の社長であり、コンサルタント(という肩書きがいいのかは不明)でもある金村秀一さんが塾長を務める、中小企業の社長とその社員たちを対象とした経営塾だ。

私は、数年前、「成功し続ける人になる仕事の極意」という本で、金村さんの“教え”に出会った。

(“教え”なんて書くとちょっと宗教っぽい感じもあるが、個人的にはこの言葉がしっくりくる)

コピーライターという仕事柄、ブランディングなどを勉強する中で、

「結局は、中身なんだよなぁ」

「ブランドとは表現ではなく、中にいる人々の“想い”なんだよな…」

と、強く感じていた部分があり、そのことを改めて実感したのがこの本だった。

私は、この「100年塾」の塾生ではないので、理解が間違っている部分があるかもしれないが、

そのスゴさ(と言っても、とてもオーソドックスで誠実)について少しだけ書く。

成功の第一歩は「環境整備」から始まる

まず、この「100年塾」の基本は、環境整備にある。

自分たちの働く場所を、徹底的に整備する。

というと、とっても普通のことのようだが、金村さんのブログを読んで自分は驚愕した。

なんと、モノやPC内のファイルなどを探す時間は、一人あたり年間152時間にもおよぶというデータがあるらしい。8時間労働で換算すると年間で約19日間が、探すためだけの時間にあてられているということになる。

整理整頓ができない自分は、1ヶ月、いやそれ以上を「探す時間」に費やしているかもしれない…。

こうした「時間の節約」だけでなく、環境整備にはさまざまな効用があるようだが、塾生でない自分は、その本当の意義を理解できていない。でも、これを徹底しているという塾生会社の情報をみると、やはり、実践した者にしかたどり着けない“何か”があるのだろう。

この環境整備について、こんな見方をされている方もいる。

深いなぁと思う。

この環境整備の他にも「100年塾」ではさまざまな“教え”があって、塾生会社はそれを習慣化しているようだ。

全社員が同じ方向に向かうことの大切さ

そのひとつが「ベクトル勉強会」。

簡単に言えば、社長と社員が価値観を合わせる時間を、定期的に持つというもの。

この「価値観を合わせる時間の積み重ねが、小さくても強い会社をつくることにつながる」と、金村さんは言う。

こんなふうに、価値観を共有し、全社的な意志統一が図られているから、「100年塾」の塾生会社は、会社としてトライするか、しないか、の判断も早い。

大きな会社だと、稟議がどうの、根回しがどうの、と、実施されないうちに消えていく企画が少なくないと思うが、

「100年塾」の塾生会社は、「おもしろい!やってみよう!」と、どんどん試行錯誤を積み重ねていく。

例えば、こんなふうに

何が当たるか?何が外れるか?なんてわからない。

それをウジウジ考えている暇があったら、早くみんなでやってみて、成功か?失敗か?の結果を出し、次の行動に活かすべきだ。というのが、「100年塾」の基本姿勢だ。

「失敗したヤツ」という烙印を押されるのを恐れ、新たなチャレンジが生まれない体質になっている会社とはえらい違いだ。

感謝の気持ちを文字にして伝える

そんな「全社一丸」を可能にしているのが、「感謝の気持ち」を文字にして、相手に渡して、残す。

サンクスカード」というシステムだ。

朝、会社に来てみたら部下の女性からとみられる付箋紙(ハート形とか)に、

「部長、昨日のフォロー、頼もしかったです。本当にありがとうございました♡」

なんて書いてあったら、つい勘違いしてしまいそうになるアレに近いのかな…(笑)

大切なことは、「小さなことに感謝する習慣を会社の文化にすること」なのだとか。

「感謝とは、形にすることではじめて相手に伝わるもの」と、金村さんは教えている。

感謝の気持ちといえば、もうひとつスゴイのが、メール全盛のこの時代に、ハガキを推奨している点だ。塾生社長が書いたこのブログにあるように、

「100年塾」主催のあるセミナーに参加させていただいた際、金村さんから、直々におハガキをいただいたことがある。

本で読んで知っていたのだが、やっぱりびっくりしたし、うれしかった。

今年の6月に行われたオープン参加可能(年に一度?だけ、塾生以外にも参加のチャンスがある)のセミナーに伺った際にも、ご一緒したウィルウェイ(「100年塾」を運営する会社)の新入社員の方から、直筆のハガキをいただいた。

この時も、うれしかったなぁ。

また、「100年塾」の塾生会社は、とにかく社員を大切にする。

例えば、こんな風に

その姿勢が、会社をひとつにし、社長の意思決定を全社的な行動へと変え、結果につながっていく。

もちろん、あたりまえのこと。とも言えるかもしれないが、実際にできている会社がどれだけあるだろうか…。

それから、塾生会社の社長(社員の方も?)は、奥さま(旦那さま)をとても大切にする。

取締られ役会』と称してこんな風に…身近な人を労うのだ。

確かに、家庭がうまくいっていないのに、仕事に身が入るわけがないもんなぁ。

この辺を意識してやり、習慣として実践しているところが、「100年塾」のスゴイところだ。

自分たちの未来を創るための緻密な設計図

そして、そして、「100年塾」には、会社の5年後を見据えた「逆算式中期5カ年計画」というものがある。

そのポイントは、言うまでもなく“逆算”だ。

「この変化の激しい時代に、現状の延長線上に未来はない!」というのが、「100年塾」の考え方。

だから、5年後に達成していたい自分たちの姿をイメージし、今日、何をするか、しないかを決めるのだ。

もちろん、すべてが予定通りに展開することはないだろう。

でも、「今と同じことをやっていてはダメだ!」という、社長の強い意志は、先手先手の一歩につながり、さまざまなチャレンジのうちのいくつかは実を結び、自分たち自身を、目指す未来へと導いていくのだろう…。

おっといけない。100年塾のことしか書いてないじゃないか…。

テーマは、「まち会社」×「100年塾」だった。

「100年塾」の経営哲学で「まち会社」が強くなる

そう、つまり、いろいろ書いてきた、この「100年塾」の考え方を、木下斉さんが提唱する「まち会社(まちづくりを経営という視点で考える)」が導入すれば、きっと、そのまちは強くなるのではないかと思う。

自分たちの暮らすまちが、5年後の明確なビジョンを持っている。

そこに参加するすべての人々が、信頼と感謝の気持ちで結ばれている。

その事実は、そこに関わるすべての人を熱くし、夢を抱かせ、真っ直ぐに前に進ませる。

そう。まちづくりは、人づくりだ。

もちろん、すべてがうまくいくとは限らないだろう。困難だって待ち受けている。

それを、乗り越えていくための“光”になるのが、自分たち自身で決めた「5年後の自分たちの姿」だ。

そして、「まち会社」が導入した「逆算式中期5カ年計画」が、「100年塾」の考え方が、そのまちの飲食店、生花店、学習塾、不動産会社など、多くの事業者へと広がっていったとしたら…。

5年後を見据えた飲食店は、どんな取り組みで顧客との絆を育むのだろう?

5年後をイメージした生花店は、どんなアイデアで感動を届けるのだろう?

5年後に向けて進化する学習塾は、どんなやり方で、子どもたちの心に火をつけるのだろう?

ヤバイ!想像するだけで、ワクワクしてきた。

「まち会社」×「100年塾」。

その考え方が広まり、この国に「強いまち」や「強い会社」が増えていくことを、心から願っている。

今回、書ききれなかった「100年塾」の“教え”については、この本「社員29人以下の会社を強くする50の習慣」で。

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圧倒的なその質量に、軽く打ちのめされたような感覚を覚えるかもしれないけど、読み終えた後、心の底から力が湧いてくるはず。

自分が、どこかのまちで「まち会社」の立ち上げに参加できたら、その時は、「100年塾」のお世話になりたいと思っている。

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shoji
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