1月25日、一般社団法人クラブヴーバンとイーソリューション株式会社が開発した「SDGsゲーム自治体編」のゲーム体験イベントがあり、参加させていただいたのだが、これが…
「ものすごーーーーーーーーく楽しかった!(笑)」
その時のことを、少しだけ書いておきたい。
SDGsとは、2015年9月の国連サミットで全会一致で採択された持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)。貧困、飢餓、保険、教育、ジェンダー、水・衛生、エネルギー、…といった17の国際目標と、169のターゲット、232の指標が決められているらしい(概要は、こちら)。
そうした、持続可能な社会の実現に向けて、ひとりひとりがどのような行動を取るべきかを、楽しく学べるのが、この「SDGsゲーム」だ。
今回、自分が体験させていただいたのは、「SDGsゲーム自治体編」。参加者は、自治体の首長や職員として、政策を決めて実行し、持続可能な地域づくりを目指す。
ゲームの概略は、イーソリューション株式会社のホームページから引用させていただく。
ゲーム内容(概略)
・プレーヤーは自治体職員の設定で、与えられた仮想の自治体の人口を減らさないように様々な政策を選びます。
・都市の規模は「大規模都市」、「中規模都市」、「小規模都市」の3種。
さらに中・小規模都市は「観光型」、「第一次産業型」、「エネルギー型」 の3 つの分野(地域特性)に分かれます。
・パラメーターは「資金」「エネルギー」「食料」「人口」の4 つ。「資金」「エネルギー」「食料」をうまく活用して、人口が減らないように政策を選択していきます。
・1 ターンを5 年と想定し、ゲームは最大5ターン。この間、人口が50%を切らないことを目指します。
ゲーム内容を読むと、ちょっと難しそうだけど、実際にやってみるとわかりやすいし、とにかく楽しい。子供達がやっても、夢中になるはず。
だって、いい大人だけが参加した今回も、かなり熱くなったから…(笑)。
我々のチームは、小規模都市観光型。岩手県雫石町の職員の方、鳥取県北栄町の職員の方と自分の3人。行政のプロに引っ張らっれる形(完全に見てるだけだったような…笑)で、ゲームを進めていった。
このゲームでは、1ターンに大体2つの政策を選ぶ。
限られた資金(この辺がリアルな感じ?)と、開発と引き換えに減っていく自然資源を利用しながら、何もしなければ進む人口減少を食い止めるように、政策を打っていくわけだ。
ゲームの進行中には、チーム間の交渉も認められている。
「うちのエネルギー1個と、オタクが持っている資金2個と交換しません?」
「いやいや1対2は無理。1対1なら応じてもいいよ!」
みたいな感じで、お互いが納得するレートで交換ができる。当然、財政状況が苦しいチームほど買い叩かれる(笑)。
また、「台風」や「地震」などの災害が起こったという想定で、チームの資金や人口が一気に減少するなどのイベント(サイコロでランダムに選定)も用意されている。
我々のチーム「小魔人村(北栄町の方が、弊社の社名「大魔人プロ」から命名してくれた)」は、限られた資金を活かしながら手堅い政策?を推し進め、「資金」「エネルギー」「食料」「人口」ともにバランスよく確保。この先は、人口増加に移行できるのではないか?という時点で5ターンが終了。ゲームオーバーとなった。
ゲーム終了後、主催者の方から寸評があり、「勝利ポイント(これ重要)」でトップになった小魔人村チームが紹介された。一応、拍手はされたのだが…(苦笑)
勝利ポイントとは、それぞれの政策カードの右下に記載されている数字。そのチームが選択した政策カードに記載されているポイントの合計が、そのチームの勝利ポイントとなる。
↑政策カード(右下の40が勝利ポイント)
でも、“勝利”という言葉に騙されてはいけない。
この勝利ポイントが高い政策は、実は、前時代的な政策なのだ。
人口が増加し、経済が右肩上がりの時代に打たれるならまだしも、人口減少が進む今の時代には、ふさわしくない政策を我々が選んできたということになる。
いやー恥ずかしい…
行政の素人である自分はともかく、小魔人村チームを支えてくれたお二人の名誉のために書いておくが、決して写真のカードのような“アホな政策”を選んできた訳ではない。最後の5ターン目には、こうした政策しか残っておらず、止むを得ず選んだだけで、その前には「省エネ」に関する地道な政策などを選んできたのだ。
でも、財政を破綻させずに人口減少を食い止めようとすると、ついつい目先の成果に目がいってしまうということを、このゲームは気づかせてくれるのかもしれない。
多くの人が体験してほしい、深くて、楽しいゲームだ。
ゲームの後、一般社団法人地域政策デザインオフィスの代表理事、田中信一郎先生のレクチャーがあり、ここでも、さまざまな気づきがあった。
ゲーム体験会の終わりに、田中先生がおっしゃっていたことが印象的だった。
今日、この場にいる自治体の方々は、意識の高い人たちです。でも、その他の自治体職員の理解はまだまだ。まずは、こうしたゲームなどの取り組みで自治体の職員の方々に知っていただく。それと同時に、一般の方々にも広めていく(このSDGsゲームには「企業版」もある)ことが大切なんです。
そして、自分がこのブログでも何度か取り上げさせていただいている名著「キロワットアワー・イズ・マネー ~エネルギー価値の創造で人口減少を生き抜く~」の著者・村上 敦さんとも二度目の名刺交換をさせていただき、お礼のメールを差し上げたところ、ご丁寧な返信を頂戴し、Facebookでも繋がることができた。
自分たちが、このゲーム体験会を開催できるようになったら、ご協力をいただきたいと思っている。
最後に、村上さんからいただいた返信の文章が素晴らしかったので、引用させていただく(無許可だけど、怒られることはないだろう…)。
自分は、お礼のメールの中で、こうした村上さんたちの取り組みが、なぜ、なかなか広がらないのか?そのことに、歯がゆさを感じている。という思いもお伝えした。そのことに対していただいた丁寧な返信が、以下の文章だ。
荘司さま、先日はお世話になりました。村上です。
ご参加いただきありがとうございます! はい、なぜ、こうしたまっとうな事柄が提唱されても、そうした方向にならないのかは、非常に不思議なことです。ただし、自分の親を見ていると良く分かりますが、「これまでやってきたことを変えるのは、簡単ではない」というものの、社会的現象なのだと思います。
とはいえ、SDGsのような「綺麗事(?)」が大手企業でも、市民の間でも、ある一定の世界中に広がり、本気で行動を起こし始めている変化が、10年前と比較して大きく出てきているのも事実です。
諦めず、ただ毎日、コトをじりじりと進めてゆくだけ、というフェーズですが、一社クラブヴォーバンではそれを継続してゆく所存です。
また、何かの機会にご一緒できること、楽しみにしています。
FBでは友達申請しましたので、今後ともよろしくお願いいたします。
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